介護施設の居室・ベッドまわりの衛生管理:リネンの処理と光触媒の使い方

居室は利用者が一日の多くを過ごす場所です。手引きの考え方は共用部と同じで、床や壁は水拭き、手が触れる場所は消毒です。汚れたリネンには熱水や塩素系での処理が示されています。光触媒は主に居室のニオイ対策として考えます。

居室で手が触れる場所

手引きでは、床・壁・ドアは水拭き、多くの人が触れる場所は状況に応じて消毒(例:消毒用エタノール)という考え方が示されています。居室で「手が触れる場所」にあたるのは、たとえば次のようなところです。

場所 触れる人 日常の手入れの例
ベッド柵・介助バー 利用者・介助する職員 清掃のときに拭き取り、必要に応じてエタノール
オーバーテーブル 利用者 食事の前後に拭く
ナースコール・リモコン 利用者 拭き取り(電子機器は液をかけず布に含ませる)
居室のドアノブ・照明スイッチ 利用者・職員・面会者 拭き取り、必要に応じてエタノール
ポータブルトイレ 利用者・職員 使うたびに処理し、汚れは塩素系で(ポータブルトイレの臭い対策)

感染症の利用者がいる場合は、病原体に合った消毒薬を選びます。ノロウイルスにはアルコールが効きにくいため、0.02〜0.1%の次亜塩素酸ナトリウムで拭き、金属部分は水拭きで仕上げます。

汚れたリネン・衣類の処理

手引きでは、汚れたリネンや衣類について次の方法が示されています。

  • 80℃の熱水で10分間洗濯する
  • または、0.02〜0.1%の次亜塩素酸ナトリウムに30分浸してから洗う
  • 扱ったあとは手指衛生を行う

汚れたリネンを運ぶときは、床に置いたり振ったりせず、袋に入れて運ぶと周りに広がりにくくなります。

居室のニオイ対策と光触媒

居室のニオイの多くは、排泄物、おむつ、汚れたリネン、体臭が元になっています。

  1. 発生源をすぐ片付ける:おむつ・汚れたリネンは居室に置きっぱなしにしない(おむつの臭い対策)
  2. 換気する:こもったニオイを外に出す
  3. 残ったニオイに光触媒:光が当たる壁や天井のコーティングで、少しずつ分解する補助

光触媒が働くのは光が当たる面だけです。カーテンを閉めがちな居室や、照明を落とす夜間は効きが弱くなります。施設全体のニオイ対策は老人ホームの臭い対策で解説しています。

よくある質問

汚れたシーツはどう処理すればいいですか?

厚生労働省の手引きでは、汚れたリネンや衣類は、80℃の熱水で10分間洗濯するか、0.02〜0.1%の次亜塩素酸ナトリウムに30分浸してから洗う方法が示されています。扱ったあとは手指衛生を行います。

ベッド柵は毎日消毒が必要ですか?

手引きでは、多くの人が触れる場所を状況に応じて消毒することが示されています。ベッド柵は利用者本人と介助する職員が繰り返し触れる場所なので、居室の清掃のときに拭き取り、感染症の利用者がいる場合は病原体に合った消毒薬で消毒するとよいでしょう。

居室のニオイに光触媒は効きますか?

光が当たる壁や天井に残る生活臭を、少しずつ分解する補助にはなります。ただし、ニオイの元になる排泄物やおむつ、汚れたリネンをすぐ片付けることのほうが効果は大きく、光触媒はそのあとの仕上げと考えてください。

参考資料