保育園のおもちゃの消毒方法:素材別の洗い方と頻度、光触媒は使える?

乳幼児はおもちゃを口に入れ、手で触れ合って遊びます。おもちゃの衛生管理は、保育園の感染症対策の中でも日常的で、しかも手間のかかる作業です。基本は「洗う・干す・交換する」です。

ガイドラインが示す基本

こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、おもちゃについて次のような考え方が示されています。

  • 直接口に触れる乳児用のおもちゃは、使うたびに湯などで洗い流し、干す
  • 午前と午後でおもちゃを交換する
  • 適宜、水(湯)洗いや水(湯)拭きをする

ポイントは、消毒薬に頼る前に洗い流して乾かすことと、同じおもちゃを長時間使い回さないことです。

素材別の手入れ

素材 日常の手入れ 感染症の流行時・汚れたとき
プラスチック 湯で洗い流す、水拭き、よく乾かす 塩素系消毒薬に浸すか拭いたあと、よく水洗い
布・ぬいぐるみ 定期的に洗濯、天日干し 嘔吐物などで汚れたら、熱による消毒や塩素系消毒薬での処理(素材による)。難しい場合は廃棄も検討
木製 固く絞った布で拭き、よく乾かす 水に浸けると傷むため、拭き取り消毒のあとすぐ乾かす
紙・絵本 乾いた布で拭く 汚れたものは交換を検討

消毒薬を使ったあとは、口に入る可能性があるものは必ず水で洗い流すことが大切です。

感染症の流行期にやること

  • 流行している感染症に応じて、消毒薬を選ぶ(ノロウイルスには塩素系)
  • 使ったおもちゃを入れる「使用済みかご」を用意し、まとめて洗う
  • 体調の悪い子どもが使ったおもちゃは、ほかの子どもが使う前に洗浄・消毒する
  • 洗いにくい布製品や細かい部品のあるおもちゃは、流行期だけ片付ける

嘔吐物で汚れた場合の処理は保育園の嘔吐物処理の手順、流行期全体の対策は保育園のノロウイルス対策をご覧ください。

おもちゃに光触媒コーティングを使わない方がよい理由

光触媒コーティングを「おもちゃの除菌に」とうたう製品もありますが、乳幼児が使う保育園のおもちゃには次の理由で向いていません。

  • 口に入れる:膜が削れて体に入る可能性がある
  • 光が当たらない:おもちゃ箱や棚の中では光触媒は働かない
  • 洗うと膜が取れる:毎日の洗浄で効果が続かない
  • 代わりにならない:洗浄・消毒の手間を減らせるわけではない

光触媒コーティングを検討するなら、子どもの手が届きにくい光の当たる壁や天井など、おもちゃとは別の場所にとどめましょう。安全性の考え方は保育園の光触媒コーティングは安全?で解説しています。

よくある質問

保育園のおもちゃは毎日消毒が必要ですか?

国のガイドラインでは、直接口に触れる乳児用のおもちゃは使うたびに湯などで洗い流して干すこと、午前と午後でおもちゃを交換すること、適宜水拭きなどを行うことが示されています。消毒薬を使う頻度は、流行している感染症や自治体の指導に応じて判断します。

おもちゃにアルコールを使ってもいいですか?

アルコールが使える素材なら、日常の消毒に使うことがあります。ただし、ノロウイルスにはアルコールが効きにくいため、感染性胃腸炎の流行時や嘔吐物で汚れた場合は塩素系の消毒薬を使い、その後よく水洗いします。

おもちゃに光触媒スプレーをかけてもいいですか?

乳幼児が口に入れるおもちゃへの光触媒コーティングは避けるのが無難です。口に入れることで膜が削れて体に入る可能性があるうえ、おもちゃ箱の中など光が当たらない場所では働かないため、効果も期待しにくいからです。

参考資料