次亜塩素酸水の正しい使い方:有効な濃度・拭き方・空間噴霧がNGな理由
次亜塩素酸水は、正しい濃度で、汚れを落とした面をたっぷり濡らして使えば、表面の消毒に役立ちます。一方で、少量を吹きかけるだけ、空間に噴霧する、といった使い方では期待どおりの効果は得られません。
次亜塩素酸水とは
次亜塩素酸水は、次亜塩素酸を主成分とする、酸性からほぼ中性の液体です。2020年には、NITE(製品評価技術基盤機構)が新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性を評価し、一定の濃度以上の次亜塩素酸水が物の表面の消毒に有効であることが確認されました。
有効な濃度の目安
| 使い方 | 有効塩素濃度の目安 |
|---|---|
| 汚れをあらかじめ落としたあとの拭き掃除 | 80ppm以上 |
| 汚れがひどい場合 | 200ppm以上が望ましい |
| 流水でかけ流す場合 | 35ppm以上 |
製品の濃度は表示で確認します。濃度が書かれていない製品は、効果を判断できません。
正しい使い方
拭き掃除の場合
- 汚れを落とす:表面の汚れを先に取り除く(汚れが残ると効果が落ちる)
- たっぷり濡らす:表面がヒタヒタになるまでかける
- 20秒以上置く
- 拭き取る:きれいな布やペーパーで拭く
アルコール消毒のように、少量をスプレーしてすぐ拭く使い方では、十分な効果が得られません。
かけ流しの場合
消毒したいものに次亜塩素酸水を20秒以上かけ流し、残らないよう拭き取ります。
空間噴霧が推奨されない理由
- 空間噴霧の有効性と安全性は評価されていない
- 人がいる場所で噴霧すると、吸い込むおそれがある
- 空気中のウイルス対策には、換気が有効とされている
加湿器などで次亜塩素酸水を部屋に噴霧する使い方は避けましょう。詳しくは空間除菌は効く?で解説しています。
次亜塩素酸ナトリウムとの違い
| 次亜塩素酸水 | 次亜塩素酸ナトリウム | |
|---|---|---|
| 性質 | 酸性〜ほぼ中性 | アルカリ性 |
| 主な製品 | 次亜塩素酸水として販売される除菌水 | 塩素系漂白剤、消毒用の液体 |
| 刺激 | 比較的穏やか(濃度による) | 強い。手袋を使う |
| 主な用途 | 表面の拭き取り消毒 | 嘔吐物の処理、トイレ、ノロウイルス対策 |
名前が似ていますが別のものです。どちらも、酸性の洗剤や塩素系漂白剤と混ぜると塩素ガスが発生する危険があるため、混ぜて使わないでください。
保存の注意
- 紫外線で分解するため、遮光できる容器に入れる
- 冷暗所で保管する
- 時間とともに濃度が下がるため、早めに使い切る
光触媒との違い
次亜塩素酸水は、使ったその場で表面を消毒できますが、効果は続きません。光触媒は即効性がない代わりに、光が当たる面で長く働きます。両者は役割が違うため、拭き掃除の消毒には次亜塩素酸水などの消毒剤、日常の残り香対策には光触媒、と使い分けます。比較は除菌・消臭方法の比較をご覧ください。
よくある質問
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは同じですか?
別のものです。次亜塩素酸ナトリウムは塩素系漂白剤などに使われるアルカリ性の液体で、刺激が強いものです。次亜塩素酸水は、酸性からほぼ中性の液体です。名前が似ているので、表示をよく確認して使い分けてください。
次亜塩素酸水はスプレーで吹きかけるだけでいいですか?
少量を吹きかけるだけでは十分な効果が得られません。汚れを落としたあと、表面がたっぷり濡れるまでかけて20秒以上置き、きれいな布やペーパーで拭き取る使い方が基本です。
次亜塩素酸水はどのくらい保存できますか?
次亜塩素酸水は紫外線や時間の経過で分解し、濃度が下がっていきます。遮光できる容器に入れて冷暗所で保管し、製品の表示に従って早めに使い切りましょう。