保育園の換気と湿度管理:冬の感染症対策で押さえたい室温・湿度の目安

インフルエンザなど飛沫や空気を介して広がる感染症には、消毒よりも換気が効きます。寒い季節は換気をためらいがちですが、室温を保ちながら空気を入れ替える工夫が必要です。

ガイドラインが示す室内環境の目安

こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、保育室の環境について次のような目安が示されています。

項目 目安
室温 夏 26〜28℃、冬 20〜23℃
湿度 60%
換気 季節や施設の状況に応じて、窓開け、換気扇、扇風機などを活用
加湿器 水は毎日交換する
エアコン 定期的に清掃する

寒い時期の換気の工夫

  • 2方向の窓を少しずつ開ける:対角線上の窓や、窓とドアを開けると空気が流れやすい
  • こまめに短時間:長時間開け放すより、定期的に短時間の換気を繰り返す
  • 換気扇は常時運転:トイレや調理室だけでなく、保育室の換気設備も確認する
  • お昼寝の前後:子どもが集まる時間の前後に空気を入れ替える
  • 暖房と組み合わせる:室温が下がりすぎないよう、暖房を止めずに換気する

湿度を保つ

空気が乾燥すると、のどや鼻の粘膜の防御機能が落ちやすくなります。

  • 加湿器の水は毎日交換し、タンクや部品を定期的に洗う(汚れた加湿器は菌を広げる原因になる)
  • 洗濯物の室内干しや、濡れタオルも加湿の助けになる
  • 湿度計を置いて、数値で確認する

空気清浄機・光触媒の位置づけ

手段 できること 注意点
換気 室内の空気を外の空気と入れ替える 感染症対策の基本
空気清浄機 空気中のほこり、ニオイなどを減らす 換気の代わりにはならない
光触媒フィルター付き空気清浄機 取り込んだ空気中のニオイ成分などを処理 同上。フィルターの手入れが必要
光触媒コーティング 光が当たる壁などに触れたニオイ成分を分解 空気中には作用しない
消毒液の空間噴霧 ― 有効性・安全性が確認されておらず推奨されない

空気中のウイルス対策として、消毒液を噴霧するより換気が有効とされています。光触媒コーティングは空気を処理するものではないため、換気の代わりにはなりません。空間除菌をうたう製品については空間除菌は効く?で解説しています。

換気と合わせて行いたいこと

  • 子どもと職員の体調を毎朝確認する
  • 咳やくしゃみが出る子どもには、年齢に応じて咳エチケットを伝える
  • 手洗いの機会を確保する

保育園の感染症対策の全体像は保育園の感染症対策と光触媒をご覧ください。

よくある質問

冬の保育室の湿度はどのくらいが目安ですか?

国のガイドラインでは、室温の目安として夏は26〜28℃、冬は20〜23℃、湿度は60%が示されています。加湿器を使う場合は、水を毎日交換して清潔に保ちましょう。

空気清浄機があれば換気はしなくてもいいですか?

空気清浄機は空気中のほこりやニオイを減らす助けになりますが、外の空気と入れ替える換気の代わりにはなりません。窓開けや換気扇による換気と組み合わせて使いましょう。

光触媒の空気清浄機は感染症対策になりますか?

光触媒フィルターを備えた空気清浄機は、取り込んだ空気中のニオイ成分などを処理するものです。感染症の予防効果を期待して換気を減らすのではなく、あくまで換気を補う機器として使いましょう。

参考資料