光触媒の空気清浄機は効果ある?仕組みと選び方
光触媒の空気清浄機は、ファンで集めた空気を、内部の光源で照らした光触媒フィルターに通してニオイ成分などを分解する機器です。光と接触の条件を機械でそろえるため、壁に塗るコーティングより効果が出やすい使い方です。
光触媒の空気清浄機の仕組み
光触媒の空気清浄機・脱臭機は、おおむね次の流れで働きます。
- ファンで部屋の空気を吸い込む
- 集じんフィルターでホコリや花粉を集める
- 光触媒をつけたフィルターに空気を通す
- 機器の中の光源(紫外線ランプやLED)で光触媒を照らし、フィルターに触れたニオイ成分などを分解する
フィルターの素材には、紙や不織布、セラミックなどが使われます。科学技術振興事業団(現JST)は2003年に、セラミックの多孔体に酸化チタンを薄く付けて表面積を増やし、洗って再生できるフィルターを使った空気浄化装置の開発成功を発表しています。それまでの紙のフィルターは触媒の効果が小さく、活性炭などの吸着剤との併用が多かったとされています。
コーティングより効果が出やすい理由
光触媒が働くには、光・接触・時間の3つの条件が必要です。
壁や家具に塗るコーティングでは、光が当たる場所もニオイ成分が触れる量も、部屋の状況まかせです。空気清浄機は、ファンで空気をフィルターに当て、内部の光源で常に照らすため、光と接触の条件を機械でそろえられます。光触媒の使い方としては、条件を満たしやすい方法の一つです。
得意なこと・苦手なこと
ニオイの種類で分解のしやすさが違う
神奈川県立産業技術総合研究所の報告では、光触媒フィルターで溶剤などのニオイ成分を分解する試験をしたところ、成分によって分解の進み方が大きく違いました。メチルエチルケトンはよく除去された一方、ノルマルヘキサンは除去率が低く、イソプロピルアルコールは除去率が高くても二酸化炭素まで分解しきらない例があったとされています。「どんなニオイでも消える」わけではありません。
部屋の広さと風量が効く
同じ報告では、容器が大きいほど濃度の下がり方が遅くなることも示されています。実際の部屋では、適用床面積と風量が部屋に合っているかが重要です。
ホコリや花粉は集じんフィルターの仕事
花粉やホコリ、ペットの毛などの粒子を取り除くのは、光触媒ではなく集じんフィルターです。花粉対策が目的なら、集じん性能を先に確認しましょう。
「ウイルス除去」の表示の読み方
空気清浄機のウイルス除去性能については、日本電機工業会が2011年に試験方法のガイドラインを定めています。試験では、密閉した試験空間で、特定のウイルス(人に感染しないバクテリオファージが使われることもあります)が一定時間でどれだけ減ったかを調べます。
この結果は決められた条件での性能で、実際の部屋で感染を防げることを示すものではありません。消費者庁は、新型コロナウイルスの予防効果をうたう商品の表示について、2020年2月以降、累計226事業者・249商品に改善を求めています(2022年2月時点)。表示を見るときは、次の点を確認しましょう。
- どのウイルス(または代わりの微生物)で試験したか
- 試験空間の大きさと、何分・何時間で何%減ったか
- 「感染を防ぐ」「予防できる」など、病気の予防効果をうたっていないか
選ぶときの確認ポイント
- 適用床面積:使う部屋より広めのものを選ぶと、空気が早く入れ替わります。
- 集じん方式:花粉やホコリ対策が目的なら、集じんフィルターの性能を確認。
- 脱臭の試験データ:どのニオイ成分で、どんな条件で試験したか。
- お手入れと交換部品:フィルターは洗えるか、光源や光触媒フィルターの交換時期と価格。
- 運転音と電気代:常時運転するなら、静音モードの音の大きさと消費電力も確認。
まとめ
光触媒の空気清浄機は、光触媒の条件を機械でそろえるため、部屋のニオイ対策としてはコーティングや置くだけの製品より効果を出しやすい方法です。ただし、ニオイの種類によって得意・不得意があり、部屋の広さに合った機種を選ぶ必要があります。ニオイの発生源の掃除と換気を基本に、補助として使いましょう。オゾンを使う脱臭機との違いはオゾン脱臭機の効果と安全性で解説しています。
よくある質問
光触媒の空気清浄機は、普通の空気清浄機と何が違いますか?
一般的な空気清浄機は、主にフィルターでホコリや花粉を「集める」機器です。光触媒タイプは、集めたニオイ成分などを光触媒で「分解する」機能を加えたものです。花粉やホコリを集める力は、光触媒ではなく集じんフィルターの性能で決まります。
光触媒の空気清浄機でウイルスは除去できますか?
試験では、密閉した試験空間で浮遊ウイルスや付着したウイルスが減ったという結果を示す製品があります。ただし、試験の条件と実際の部屋は違い、感染を防げることを示すものではありません。感染症対策の基本は換気、手洗い、適切な消毒です。
フィルターの交換は必要ですか?
製品によって異なります。洗って再生できるフィルターや、光源(紫外線ランプやLED)の交換が必要なものもあります。購入前に、交換部品の価格と交換時期を確認しておきましょう。