可視光応答型光触媒とは?室内で働く仕組みと種類の違い

室内で光触媒コーティングを使うなら、まず押さえておきたいのが「可視光応答型」という言葉です。紫外線の少ない室内照明でも反応するように改良された光触媒で、室内向け製品の多くがこのタイプです。

なぜ「可視光応答型」が必要なのか

光触媒の代表である酸化チタンは、光のうち紫外線のエネルギーで反応します。太陽光には紫外線が含まれるため、屋外の外壁やガラスでは酸化チタンがよく働きます。

ところが、室内の照明(LEDや蛍光灯)にはほとんど紫外線が含まれず、窓ガラスも紫外線の一部をさえぎります。そのため、通常の酸化チタンは室内ではほとんど働きません。

そこで、目に見える光(可視光)でも反応するように改良したのが可視光応答型光触媒です。

主な種類

種類 特徴
銅などの化合物を組み合わせた酸化チタン 酸化チタンの表面に銅や鉄の化合物を付けて可視光で働くようにしたもの。銅には暗い場所でも一定の抗菌性があるとされる
窒素などを加えた酸化チタン 酸化チタンの結晶に別の元素を入れて、反応する光の範囲を広げたもの
酸化タングステン もともと可視光で働く光触媒。透明性が高い一方、製品によって性能に差があるとされる

同じ「可視光応答型」でも、成分や配合、膜のつくり方で性能は大きく変わります。成分名だけで判断せず、可視光での試験データで比べることが大切です。

性能を確かめるJIS規格

可視光での光触媒の性能は、JISで試験方法が定められています。

試験内容 紫外光 可視光
抗菌 JIS R 1702 JIS R 1752
抗ウイルス JIS R 1706 JIS R 1756

室内用の製品であれば、右の列(可視光)の試験データがあるかを確認しましょう。

データを見るときは「照度」に注目

試験は決められた明るさ(照度)で行われます。光触媒メーカーのコラムでは、1,000ルクスで行った試験データに対して、一般的な室内は昼間で約500ルクス、夜間で約200ルクス程度と指摘しています。

  • 試験の照度が書かれているか
  • その照度が、施工したい場所の明るさと大きく違わないか

この2点を確認すると、実際の部屋での効き方を想像しやすくなります。

可視光応答型でもできないこと

可視光応答型は室内で働く光触媒ですが、光触媒であることに変わりはありません。

  • 暗い場所や消灯中は、分解反応がほとんど起きない
  • 表面に触れたものしか分解できない
  • ニオイの発生源が残っていれば、分解が追いつかない

暗い場所での効果をうたう製品については無光触媒とはで、スプレー製品の選び方は光触媒スプレーは意味ない?で解説しています。

よくある質問

可視光応答型光触媒はLED照明でも働きますか?

可視光応答型は、LED照明のような紫外線をほとんど含まない光でも反応するように改良されたものです。ただし反応の強さは明るさに左右されるため、照度の低い場所や消灯中は効果が弱くなります。

可視光応答型光触媒にはどんな種類がありますか?

酸化チタンに銅や鉄などの化合物を組み合わせたもの、窒素などを加えて改良した酸化チタン、酸化タングステンなどがあります。同じ可視光応答型でも性能には差があるため、可視光での試験データで比べることが大切です。

可視光応答型の性能はどの規格で確かめますか?

抗菌はJIS R 1752、抗ウイルスはJIS R 1756など、可視光を当てる条件の試験方法がJISで定められています。製品のデータがこれらの規格に沿っているか、どの明るさで試験したかを確認しましょう。

参考資料