二酸化塩素の空間除菌製品は効く?措置命令の経緯と選ぶ前の注意点

二酸化塩素は、水道水の消毒などにも使われる物質です。一方で、二酸化塩素を放出して「部屋のウイルスや菌を除去する」とうたう製品については、表示の根拠が不十分だとして、消費者庁が何度も措置命令を出しています。

二酸化塩素の空間除菌製品と措置命令の経緯

時期 内容
2014年3月 二酸化塩素を利用した空間除菌グッズを販売する17社に措置命令。生活空間でウイルス除去や除菌をするかのような表示に、合理的な根拠がないと判断
2021年12月 二酸化塩素による空間除菌をうたう商品の販売事業者2社に措置命令
2024年1月 二酸化塩素による空間除菌をうたう商品の販売事業者4社に措置命令。置き型や身に着けるタイプの商品で、室内や身の回りのウイルス・菌を除去できるかのような表示が問題とされた

いずれも景品表示法の優良誤認(実際より著しく優れているかのように示す表示)にあたるとされたものです。

何が問題とされたのか

措置命令では、次のような表示が問題とされました。

  • 「空間の菌・ウイルスを除去」など、室内の空間に漂うウイルスや菌を除去できるかのような表示
  • 「60日間」など、長期間にわたって除菌できるかのような表示
  • 首から下げるなどして、身の回りの空間を除菌できるかのような表示

ポイントは、二酸化塩素の性質そのものではなく、生活空間でそうした効果があることの裏付けが示されなかった点です。実際の部屋は、広さも換気の状態も試験とは違います。

購入前に確認したいこと

  • 表示されている効果が、どんな条件(部屋の広さ、換気の有無、時間)で確かめられたものか
  • 試験が、閉め切った小さな試験空間で行われたものではないか
  • 「ウイルスを除去」「感染を防ぐ」など、根拠が示されていない強い表現がないか
  • 身に着けるタイプの場合、皮膚や子どもへの注意表示

空気中のウイルス対策の基本

空気中のウイルス対策として確かな方法は換気です。薬剤を部屋に放出する製品に頼るより、窓開けや換気扇で空気を入れ替えることを優先しましょう。

光触媒との関係

光触媒も、過去に光触媒マスクの表示で措置命令が出された例があります(2019年)。どの方法であっても、表示の根拠と試験の条件を確認することが大切です。光触媒の限界については光触媒コーティングのデメリット、空間除菌全般については空間除菌は効く?で解説しています。

よくある質問

二酸化塩素の置き型製品は意味がないのですか?

消費者庁の措置命令は、二酸化塩素そのものの性質を否定したものではなく、「室内の空間に漂うウイルスや菌を除去できる」という表示を裏付ける合理的な根拠が示されなかったことを問題にしたものです。生活空間での効果は、使う部屋の広さや換気、濃度などの条件に大きく左右されます。

首から下げるタイプの二酸化塩素製品は使っても大丈夫ですか?

過去には、首から下げるタイプの製品で、身の回りの空間を除菌できるかのような表示が措置命令の対象になっています。また、国民生活センターなどからは、身に着けるタイプの製品で皮膚のトラブルなどの相談も寄せられているため、使う場合は製品の注意表示をよく確認してください。

二酸化塩素と光触媒はどちらが空間除菌に向いていますか?

どちらも、空気中のウイルスを確実に減らす手段としては根拠が十分とはいえません。光触媒は表面で働くもので、空気中には作用しません。空気中のウイルス対策の基本は換気です。

参考資料