
2026-04-18
面接評価シートのテンプレートと書き方|採用の属人化をなくす評価基準の作り方
面接評価シートのテンプレートと作り方を解説。担当者によって採否がバラつく属人化を防ぎ、採用精度を上げる評価項目の設定方法と記入例を紹介します。
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🦔 無料で試す「今日の候補者、どうだった?」「うーん、悪くはなかったんですけど、なんかピンとこなくて」——こういう会話で採否が決まっている会社は、確実に採用で損をしています。なぜなら「ピンとこない」の中身が面接官ごとにバラバラで、本当は活躍する人材を落とし、ミスマッチ人材を通しているからです。
この記事では、採用の属人化をなくすための面接評価シートの作り方と、職種別のテンプレートを紹介します。
面接評価シートがない会社で起きる3つの問題
問題1:採否が面接官の好みで決まる
評価シートがないと、採否判断は面接官の「印象」に依存します。体育会系が好きな面接官は体育会系を通し、ロジカルな人が好きな面接官はロジカルな人を通します。会社として「どんな人を採るべきか」が存在せず、面接官ごとに基準が違う状態になります。
結果、営業部長が面接した候補者は通るが、人事部長が面接した候補者は落ちる、という現象が起きます。同じ候補者でも面接官によって結果が変わるなら、それは採用ではなくガチャです。
問題2:落とした理由を説明できない
評価シートがないと、2週間前に面接した候補者の評価理由を誰も思い出せません。「なぜAさんを落としてBさんを通したんでしたっけ?」と聞かれて答えられません。
これは単に記録の問題ではありません。落とした理由を言語化できないということは、次回の面接でも同じ基準で判断できないということです。基準が毎回変わるから、採用の質が安定しません。
問題3:改善ができない
入社後に「この人、面接のときはよかったのに成果が出ない」となっても、評価シートがなければ「面接で何を見て採用を決めたのか」がわかりません。見るべきポイントがズレていたのか、評価の仕方が甘かったのか、原因を特定できないから改善もできません。
面接評価シートに入れるべき5つの項目
評価項目は以下の5つに絞ります。あれこれ増やすと面接官が記入しきれません。
1. スキル・経験(業務遂行能力)
募集ポジションで必要なスキルを、候補者がどの程度持っているか。「Excelができる」ではなく「VLOOKUP・ピボットテーブルを使った集計業務ができる」と具体的に書きます。
2. 実績(過去の行動)
「頑張りました」ではなく、何をどれだけやったかの事実。数字で語れるか、再現性のある行動かを確認します。
3. 志望度(本気度)
なぜこの会社なのか、なぜこのポジションなのかが具体的か。他社と比較検討できているかを確認します。
4. カルチャーフィット(価値観の一致)
自社の大事にしている価値観と、候補者の価値観が合うか。「明るい」とか「素直」ではなく、自社特有の軸で測ります。
5. コンピテンシー(行動特性)
ポジションで成果を出す人に共通する行動パターン。営業なら「自ら顧客に働きかける行動量」、事務なら「ミスに気づいて自ら修正する注意深さ」などです。
❌悪い評価シート vs ✅良い評価シート
❌ 悪い例:抽象的で誰が書いても同じになる項目
第一印象 1 2 3 4 5
コミュニケーション能力 1 2 3 4 5
やる気・熱意 1 2 3 4 5
協調性 1 2 3 4 5
総合評価 1 2 3 4 5
このシートの問題は3つあります。
- 「第一印象」は評価項目ではない:業務成果と無関係。見た目の好みで採用していることになります
- 「コミュニケーション能力」の定義がない:よく喋る人を高評価する面接官と、簡潔に答える人を高評価する面接官で真逆の判断になります
- 「やる気」は演技できる:面接で「御社で頑張ります」と言わない候補者はいません
✅ 良い例:業務に直結する行動指標で評価
営業職の例:
【新規顧客開拓の実績】
・直近1年で新規開拓した件数を具体的に話せるか
・成約までのプロセスを再現性ある形で説明できるか
1(実績なし)〜 5(数字で詳細に説明でき、再現性がある)
【断られた後の行動】
・失注案件に対してどうアプローチしたか
・改善のために何を変えたか
1(諦めて終わり)〜 5(原因分析と次回への具体的改善)
【自社への志望理由の具体性】
・なぜ競合他社ではなく自社なのか
・自社の事業・商品について調べてきているか
1(抽象的・どこでも言える内容)〜 5(自社独自の要素に言及)
違いは「何を聞けばその評価がつくか」が明確なことです。面接官が変わっても、同じ候補者なら似た評価になります。これが属人化を防ぐ唯一の方法です。
求人票の段階から求める人物像を具体化しておくと、評価シートも作りやすいです。求人票の書き方完全ガイドも参考にしてください。
5段階評価の落とし穴と対策
5段階評価には典型的な失敗があります。
落とし穴1:3(真ん中)に集まる
迷ったら3をつける面接官が多いです。結果、ほとんどの候補者が「3・3・3・3」になり、評価が機能しなくなります。
対策:4段階評価にします。「1:基準未満/2:基準ギリギリ/3:基準を超える/4:基準を大きく超える」。真ん中がないので、プラスかマイナスかを必ず判断することになります。
落とし穴2:面接官ごとに基準がズレる
同じ候補者に、Aさんは4をつけBさんは2をつけます。これは基準が共有されていないから起きます。
対策:各評価点の「行動例」を明文化します。
【新規顧客開拓の実績】
4:直近1年で10件以上の新規開拓。プロセスを数字で説明でき、他社でも再現できる汎用性がある
3:直近1年で3〜9件の新規開拓。プロセスを具体的に説明できる
2:新規開拓経験はあるが数字や詳細を説明できない
1:新規開拓の実績がない/既存顧客対応のみ
ここまで書くと、面接官が違っても評価は揃います。
落とし穴3:総合評価が平均点になる
各項目の平均で総合評価を出すと、すべての項目が平均的な「無難な人」が高評価になります。本当に採りたいのは「ある領域で突出した人」のはずです。
対策:総合評価は「採用したい/しない/保留」の3択にします。数字ではなく意思決定で書かせます。そして「その判断の決め手になった項目」を1つ書かせます。

職種別テンプレート
営業職の評価シート
1. 新規開拓の実績(具体的件数・プロセス) 1-4
2. 失注・クレーム時の行動 1-4
3. 数字へのコミットメント 1-4
4. 顧客の課題を引き出す質問力 1-4
5. 自社の商品・顧客を理解しているか 1-4
採用判定:採用/見送り/保留
決め手となった項目:
事務職の評価シート
1. 正確性(ミスへの気づき方・リカバリ) 1-4
2. 業務改善の経験(小さな工夫でも可) 1-4
3. 優先順位のつけ方 1-4
4. 周囲との連携(誰と何を調整したか) 1-4
5. PCスキル(具体的な使用機能) 1-4
採用判定:採用/見送り/保留
決め手となった項目:
エンジニアの評価シート
1. 技術スキル(使用言語・フレームワークの深さ) 1-4
2. 課題解決プロセス(なぜその技術を選んだか) 1-4
3. チーム開発経験(コードレビュー・ドキュメント)1-4
4. 学習習慣(直近半年で学んだこと) 1-4
5. 自社プロダクトへの興味・理解 1-4
採用判定:採用/見送り/保留
決め手となった項目:
現場職(製造・物流・販売等)の評価シート
1. 体力・健康面(通勤・シフトへの対応) 1-4
2. 前職での定着(離職理由の納得感) 1-4
3. 安全意識(過去のヒヤリハット経験) 1-4
4. チーム内での役割(リーダー経験・後輩指導) 1-4
5. 長期就業の意思 1-4
採用判定:採用/見送り/保留
決め手となった項目:
評価シートは面接終了後「5分以内」に記入する
評価シートで最もやってはいけないのは「あとでまとめて書く」運用です。1時間後には細かいニュアンスを忘れています。翌日には「いい人だった気がする」しか残りません。
ルールはシンプルです。
- 面接終了から5分以内に記入する
- 候補者が帰った直後、次の予定を入れる前に書く
- 書き終わるまでは他の業務を始めない
面接スケジュールを組むときに、面接60分+記入15分で確保します。これを守らないと、評価シートは「記憶の捏造を書き込む紙」になります。
複数面接官の合議ルール
一次面接と二次面接で面接官が違う場合、それぞれの評価をどう統合するかが問題になります。
❌ 悪い例:多数決で決める
3人の面接官のうち2人が「採用」なら採用、という単純多数決。これは一番厳しく見た人の意見が握りつぶされるという致命的な欠陥があります。「この人はウチの価値観と合わない」と一人が気づいても、他の2人が気づかなければ通ってしまいます。
✅ 良い例:「反対者の懸念」を議論してから決める
ルールは2つです。
- 1人でも「見送り」をつけたら、その懸念を全員で議論する
- 懸念が解消されない限り採用しない
「採用」派が多いからといって押し切りません。反対意見を持つ面接官に「なぜそう判断したか」を具体的に話してもらい、評価シートの該当項目を全員で確認します。そのうえで「たしかに懸念だが、入社後のフォローで解消できる」と全員が納得できれば採用。納得できないなら見送りです。
この運用にすると、採用後のミスマッチが大きく減ります。違和感に気づいた人がちゃんと止められる仕組みだからです。
採用プロセス全体の見直しについては、中小企業の採用完全マニュアルもあわせてご覧ください。
評価シートを機能させる3つの最終チェック
作った評価シートが機能しているかは、次の3点でチェックします。
- 同じ候補者に対して、面接官3人の評価が大きくズレないか(ズレるなら基準の言語化が不足)
- 入社半年後に、評価シートの高得点と実際の活躍が一致しているか(一致しないなら項目自体が間違っている)
- 面接官が記入に15分以上かかっていないか(かかるなら項目を減らす)
評価シートは作って終わりではなく、半年ごとに見直します。入社後の活躍状況と照らし合わせて、効いていない項目は削り、追加すべき項目は加えます。このサイクルを回すことで、採用の精度は確実に上がっていきます。
評価シートの前段階として、そもそも「求める人物像」を求人票で言語化できていなければ、面接で何を見るかも定まりません。求人票の作成に時間がかかっている、求める人物像をうまく言語化できない、という方は、AIで求人票を自動生成できる採用ハリネズミをお試しください。無料でお使いいただけます。
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