
2026-04-18
採用ターゲットの決め方|「誰でもいい」をやめると応募の質が変わる理由
採用ターゲットの決め方を解説。ターゲットを絞らないと採用コストが増える理由と、自社に合った人材を引き寄せるターゲット設定の手順・求人票への落とし込み方を紹介します。
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採用ターゲットを決めるというのは、応募者を絞り込むことではありません。「自社で活躍して長く働いてくれる人」に求人票を届けるための、最初の設計図を書く作業です。
ターゲットを決めない会社が払っている「見えないコスト」
採用ターゲットを曖昧にしたまま求人を出すと、次の3つが同時に起こります。
①応募は来るが面接で落とし続ける 求人票に「やる気があればOK」と書くと、業務内容とミスマッチな人が応募してきます。1件あたり30分の書類選考+1時間の面接で、時給換算すると1人落とすごとに数千円が消えます。月20人面接して1人も採用しないと、人件費だけで数万円の損失です。
②採用してもすぐ辞める 厚生労働省の調査では、新卒入社3年以内の離職率は約32%です。中途でも「思っていた仕事と違う」が退職理由の上位に入ります。ターゲットを決めずに「幅広く募集」すると、入社後のギャップが生まれやすいです。
③求人媒体の費用対効果が下がる Indeedや求人サイトは掲載料・クリック課金がかかります。ターゲットがズレた応募を大量に集めても、採用につながらなければ単に広告費を捨てているのと同じです。
❌ 悪い例:「20〜50代、未経験歓迎、やる気のある方ならどなたでも」 ✅ 良い例:「接客経験2年以上・土日勤務可能な25〜35歳。顧客との会話を楽しめる方」
前者は応募数こそ増えますが、採用率は下がります。後者は応募数が半分以下でも、面接通過率が3倍になります。
採用ターゲットとペルソナは別物
この2つを混同しているケースが多いです。
採用ターゲット=属性の絞り込み 年齢層、経験、勤務条件、スキルレベルなど、応募者を分類するための枠組みです。「30代・営業経験3年以上・車の運転ができる人」という粒度です。
ペルソナ=ターゲットの中の具体的な一人 「田中健太、34歳、中堅メーカーで法人営業5年、妻と子ども2人、年収450万、転職理由は残業の多さ」という具体的な人物像です。
ターゲットを決めてから、その中の代表的な一人をペルソナとして描きます。順番が逆だと、社長の知り合いの優秀な誰かを無意識にイメージして、現実にいない人を探し続けることになります。
ターゲット設定の3ステップ
ステップ1:自社の強みと弱みを整理する
求職者から見たときの自社の魅力と欠点を、正直に書き出します。
❌ 悪い例:「アットホームで風通しがいい職場です」(どの会社でも言える) ✅ 良い例:「給与は業界平均より5%低いが、残業月10時間以内・有給消化率85%・育休復帰率100%」
弱みから目をそらすと、合わない人が入社してすぐ辞めます。「給与は高くない」なら、その代わりに何を提供できるのかを明確にします。そうすると「給与より時間の余裕を重視する人」というターゲットが見えてきます。
自社の強み・弱みの整理方法は求人票の書き方完全ガイドでも詳しく解説しています。
ステップ2:既存社員の共通点を分析する
いま活躍している社員3〜5人をピックアップし、共通点を洗い出します。
- 前職の業界・職種
- 入社時の年齢
- 転職回数
- 家族構成
- 趣味や志向
- 入社の決め手
❌ 悪い例:「うちで活躍している人はみんな元気で明るい」(抽象的) ✅ 良い例:「活躍社員5人中4人が、前職でマネジメント経験はないが3年以上の実務経験あり。30代前半で入社。通勤30分圏内に住んでいる」
この共通点が、再現性のあるターゲット像になります。
ステップ3:競合が採れていない層を狙う
大手企業や同業他社と同じターゲットを狙うと、給与水準で負けます。ずらすことで勝機が生まれます。
❌ 悪い例:IT企業がエンジニア不足で「経験3年以上の若手エンジニア」を募集(全社が狙っている層) ✅ 良い例:「子育てが一段落した40代のフリーランス経験者。週30時間のリモート勤務可」
競合が拾っていない層には、競合が提供できない働き方で訴求します。

ターゲット別の訴求ポイント
主婦・主夫層を狙う場合
訴求すべきは「時間の融通」と「ブランクへの理解」です。
❌ 悪い例:「週5日フルタイム勤務、残業あり」 ✅ 良い例:「9:30〜15:00勤務・学校行事での休み調整可・ブランク10年でも歓迎」
「子育てと両立できる」と書くだけでは弱いです。具体的な時間と配慮を記載します。
シニア層(60代以上)を狙う場合
訴求すべきは「体力的な無理がない」と「これまでの経験を活かせる」ことです。
❌ 悪い例:「シニア活躍中!」 ✅ 良い例:「週3日・1日5時間勤務。立ち仕事なし。前職の営業経験を活かして新人指導をお願いします」
第二新卒を狙う場合
訴求すべきは「未経験でも育ててもらえる環境」と「キャリアのやり直し」です。
❌ 悪い例:「未経験歓迎・研修あり」 ✅ 良い例:「入社後3ヶ月は先輩とペアで業務。月1回の1on1で不安を解消。前職で1年未満でも応募可」
未経験歓迎の書き方も合わせて参考になります。
Uターン・Iターン層を狙う場合
訴求すべきは「地方ならではの生活の質」と「都市部との接点維持」です。
❌ 悪い例:「自然豊かな環境で働けます」 ✅ 良い例:「通勤15分・家賃補助月3万円・月2回の東京出張あり。前職のネットワークを地方拠点で活かせます」
応募数が減っても採用率が上がる理由
ターゲットを絞ると、応募総数は確実に減ります。しかし採用率は上がります。理由は3つあります。
①自己選別が働く 求人票を見た時点で「これは自分のことだ」と感じた人だけが応募します。逆に「自分とは違う」と思った人は応募しません。面接での「ミスマッチ確認」の工数が減ります。
②ターゲットに響くコピーが書ける 「40代女性・接客経験あり」と決めれば、そこに刺さるキャッチコピーが書けます。「誰にでも響く言葉」は誰にも響きません。
③入社後の定着率が上がる 期待と現実のギャップが小さいので、早期離職が減ります。採用コスト×離職率で見ると、ターゲットを絞った方が年間の採用投資効率が3倍以上になるケースもあります。
数字で比較すると分かりやすいです。
- ターゲット曖昧:応募100件→面接20件→採用2件→1年後在籍1件(1件あたりコスト:30万円)
- ターゲット明確:応募30件→面接15件→採用3件→1年後在籍3件(1件あたりコスト:8万円)
応募数の多さは、採用成功を意味しません。
まず一人、実在する応募者を想像する
採用ターゲットを決める作業は、難しい分析ではありません。「この求人票を読んでほしい一人」を具体的に想像することから始まります。年齢、経験、いま抱えている悩み、転職で実現したいこと。その一人に手紙を書くつもりで求人票を書くと、文章の解像度が一気に上がります。
「誰でもいい」は「誰にも届かない」と同義です。まず一人を決める。そこから採用の設計は始まります。
採用コスト全体の見直しについては採用コストを下げる方法でさらに詳しく解説しています。
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