
2026-04-18
求人票の年齢制限の書き方|例外事由の正しい記載方法と応募が増える伝え方
求人票に年齢制限を書く方法を解説。雇用対策法の例外事由6パターンの正しい記載例と、年齢制限なしでも応募を集める求人票の書き方を具体例つきで紹介します。
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🦔 無料で試す「35歳以下」「若手歓迎(20代限定)」——こう書いた求人票はハローワークで受理されません。雇用対策法10条で年齢制限は原則禁止されているからです。2007年の法改正から20年近く経ちますが、いまだに違反求人票は多いです。
ただし、例外事由6パターンに該当すれば年齢制限を書けます。問題は「書けるかどうか」ではなく「正しく書けているか」です。例外事由に該当していても、記載方法を間違えると受理されません。この記事では違反にならない書き方と、年齢を書かずに欲しい人材を集める方法を具体的に解説します。
年齢制限を書いた求人票がなぜ違法になるのか
雇用対策法10条は、労働者の募集・採用で年齢に関わりなく均等な機会を与えることを事業主に義務づけています。これは努力義務ではなく法的義務です。
違反すると、ハローワークから助言・指導・勧告が行われます。勧告に従わない場合は企業名が公表される可能性もあります。求人媒体側も受理しないため、そもそも掲載できません。
なぜ原則禁止なのか
背景には就職氷河期世代の問題があります。年齢制限のある求人が多かった結果、特定世代が正社員になれずに中高年になっていきました。この反省から「年齢で門前払いしない」ことが法的に求められるようになりました。
中小企業の経営者で「若い人が欲しいのは自然な感情だろう」と言う人は多いです。感情としては理解できますが、法律は感情を認めません。書き方を工夫しないと求人自体が出せません。
例外事由6パターンと具体的な記載例
例外事由は雇用対策法施行規則1条の3に定められています。6パターンを順に見ていきます。
例外1号:定年年齢を上限とした募集(期間の定めなし)
定年制がある企業で、期間の定めのない労働契約を結ぶ場合に限り、定年年齢を上限にできます。
❌ 悪い例:「35歳以下(若手育成のため)」 → 定年60歳なのに35歳を上限にするのは過剰。例外1号に該当しない。
✅ 良い例:「59歳以下(例外事由1号イ:定年年齢を上限とした募集のため)」 → 定年60歳で、定年直前までの期間を確保する目的なら合理性がある。
例外2号:労働基準法等で年齢制限が法令で定められている場合
警備業法で18歳未満を採用できない警備員、深夜業で18歳未満を使えない業務などが該当します。
✅ 良い例:「18歳以上(例外事由2号:労働基準法62条により深夜業務に就かせる18歳未満の者の募集ができないため)」
例外3号イ:長期勤続によるキャリア形成のため若年者等を募集する場合
新卒一括採用など、長期キャリア形成を前提にした募集です。期間の定めのない契約で、職務経験不問、新規学卒者と同等の処遇が条件です。
❌ 悪い例:「35歳以下歓迎!即戦力の経験者を募集」 → 即戦力=経験者前提は3号イに反する。経験を求めた時点で例外事由から外れる。
✅ 良い例:「35歳以下(例外事由3号イ:長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、職務経験を不問とし、新規学卒者等と同等の処遇で募集するため)」 → 職務経験不問と明記する。給与も経験者優遇ではなく一律で設定する。
例外3号ロ:技能・ノウハウの継承のため特定年齢層を募集する場合
特定職種で労働者数が相当程度少ない年齢層に限定して、技能継承のために募集できます。30〜49歳のうち、5〜10歳幅の年齢層で、その職種の労働者数が同業他社と比べて半分以下といった要件があります。
✅ 良い例:「30〜39歳(例外事由3号ロ:当社の溶接工は50代以上が8割を占め、30代の在籍者がいないため、技能継承を目的として募集)」
例外3号ハ:芸術・芸能分野での表現の真実性
演劇の子役、若手俳優の募集など、表現上の必要性がある場合です。一般的な中小企業の募集で使うことはほぼありません。
例外3号ニ:特定年齢層の雇用促進(就職氷河期世代など)
60歳以上の高齢者、または国の施策に基づく特定年齢層(就職氷河期世代など)を対象にした募集です。
✅ 良い例:「35〜54歳(例外事由3号ニ:就職氷河期世代の方の就労機会を提供するため)」
記載のルール
例外事由を使うときは「例外事由○号」と番号まで書きましょう。これはハローワークで必須とされています。番号がないと受理されない窓口もあります。詳しくはハローワーク求人票の書き方で解説しています。
「35歳以下」と書いてそのままはNG
一番多い違反パターンを具体的に示します。
❌ 悪い例
【募集要項】
職種:営業職
年齢:35歳以下
給与:月給25万円〜
これは受理されません。理由は3つです。
- 例外事由の番号がない
- なぜ35歳以下なのか理由がない
- そもそも営業職で35歳以下を正当化する例外事由が見当たらない
✅ 良い例
【募集要項】
職種:営業職
年齢:59歳以下(例外事由1号イ:定年年齢を上限とした募集のため。当社の定年は60歳です)
給与:月給25万円〜
または
【募集要項】
職種:営業職(長期育成枠)
年齢:35歳以下(例外事由3号イ:長期勤続によるキャリア形成のため、職務経験不問で募集)
給与:月給22万円(新卒・第二新卒と同等の処遇)
ポイントは「なぜその年齢なのか」を例外事由の番号と理由で説明することです。これがないと単なる年齢差別になります。

年齢を書かなくても若手を集める方法
「若い人が欲しい」が本音の中小企業は多いです。年齢を書かずに若手を集める方法はあります。本当に重要なのは「若さ」ではなく「長く働いてくれること」「吸収が早いこと」「体力が必要な業務への適応」といった具体的な要素のはずです。それを直接書きましょう。
職場の年齢構成を書く
❌ 悪い例:「若手が活躍中!」 → 具体性がなく、年齢差別の意図が透ける。
✅ 良い例:「現在の営業部は20代4名・30代3名・40代1名。平均年齢29歳の活気ある職場です」 → 事実を書いているだけなので違法性はない。若い人に響くし、年配者にも「若い人が多い職場なんだな」と情報として伝わる。
研修制度・未経験歓迎を書く
長期キャリア形成を重視する人、つまり若手に響く内容を書きましょう。
✅ 良い例:「入社後3ヶ月は先輩同行による OJT。その後は月1回の外部研修を1年間実施。5年かけて独り立ちを目指す育成制度があります」
「5年かけて育成」と書けば、長く勤める前提の人に響きます。未経験歓迎の書き方は未経験歓迎の求人票の書き方で詳しく扱っています。
仕事内容で体力要件を明示する
体力が本当に必要な仕事なら、それを書きましょう。
✅ 良い例:「15kgの資材を1日20回程度運搬する業務があります。体力に自信のある方を歓迎します」
これは年齢制限ではなく職務要件なので合法です。結果として体力のある層が応募してきます。
求めるスキルレベルを書く
❌ 悪い例:「第二新卒歓迎(25歳まで)」 → 年齢制限。
✅ 良い例:「社会人経験1〜3年の方を想定した育成プログラムです」 → 経験年数は年齢ではないので書ける。結果として20代前半〜半ばの応募が増える。
仕事内容の書き方で具体的な業務要件の書き方を解説しています。
ハローワークへの届け出と確認事項
ハローワークに求人を出す際、年齢制限を設ける場合は「年齢制限の理由」欄に例外事由を記入します。窓口でのチェックポイントは以下の通りです。
チェックされる項目
- 例外事由の番号(1号〜3号ニ)が記載されているか
- 理由が具体的に書かれているか(単に「育成のため」ではダメ)
- 例外事由3号イの場合、職務経験不問・新卒同等処遇になっているか
- 年齢上限の設定が例外事由と整合しているか
受理されないパターン
- 「若い人が欲しいから」
- 「社内の年齢構成上」
- 「体力が必要なため」(年齢ではなく体力要件として書くべき)
Indeedなど民間媒体でも基本は同じです。Indeedの求人票の書き方もあわせて確認してください。
よくある質問
Q. 「若い人が欲しい」をどう書けばいいか
A. 「若い人」と書くのをやめましょう。代わりに「長く働ける方」「未経験から5年かけて育成」「現在の職場平均年齢28歳」など事実と制度を書きます。若手が応募したくなる職場情報を具体的に書けば、結果として若手が集まります。
Q. 「35歳以下」を書かずに長期育成枠を募集したい
A. 例外事由3号イを使えば「35歳以下」と書けます。条件は職務経験不問・新卒同等処遇です。例外事由の番号と理由を明記しましょう。
Q. 定年60歳の会社で「50歳まで」は書けるか
A. 例外事由1号(定年年齢を上限)の趣旨は「定年までの期間を考慮」することです。50歳上限は定年10年前で短すぎる合理性が問われます。通常は59歳上限が無難です。50歳上限にしたい合理的理由があれば別の例外事由を検討してください。
Q. パート・アルバイトでも年齢制限は禁止か
A. 禁止です。雇用対策法は雇用形態を問いません。パート募集でも「40歳以下」は違法です。
Q. 経験者募集で「30代」と書きたい
A. 書けません。経験者募集は例外事由3号イ(職務経験不問が条件)に該当しないため、そもそも年齢制限を設定する根拠がありません。「実務経験3年以上」と経験年数で書きましょう。
Q. 違反するとどうなるか
A. ハローワークから助言・指導・勧告を受けます。従わない場合は企業名公表の可能性があります。民間媒体では掲載拒否されます。応募者から「年齢差別を受けた」と申し立てがあれば、労働局の紛争調整委員会による調停の対象になります。
まとめ:年齢制限は「書ける条件」と「書き方」の両方が必要
年齢制限は雇用対策法で原則禁止されています。例外事由6パターンのいずれかに該当し、かつ例外事由の番号と具体的理由を記載して初めて合法になります。
本当に欲しい要素が「若さ」そのものではなく「長く働く意欲」「体力」「吸収力」なら、それを直接書く方が効果的です。年齢制限を書かずに職場情報・研修制度・経験年数要件で絞り込めば、法令違反にならずに欲しい層にリーチできます。
求人票全体の書き方は求人票の書き方完全ガイド、NGワードの一覧は求人票のNGワードで網羅的に解説しています。
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