
2026-04-17
求人票の必須記載事項:書かないと違法になる項目と、書いた方が得な項目
求人票に法律上書かなければいけない項目を解説します。書かなかったときのリスクと、義務ではないが書くと応募が増える項目の違いも整理します。
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🦔 無料で試す求人票の「必須」には2種類ある
求人票の「必須記載事項」を調べると、社労士が書いた法令解説記事がたくさん出てきます。でも知りたいのは法律の条文ではなく、「何を書けば審査が通り、応募が来て、入社後トラブルにならないか」のはずです。
この記事では「必須」を2種類に分けて説明します。
- 法律上の義務(書かなければ違法になる)
- 義務ではないが、書かないと入社後にトラブルになるか、応募が著しく減る項目
法律上の必須記載事項
絶対的必要記載事項(書かないと違法)
以下は職業安定法・労働基準法に基づく明示義務です。
| 項目 | 正しい書き方の例 |
|---|---|
| 労働契約の期間 | 「期間の定めなし(正社員)」「契約期間6ヶ月、更新あり」 |
| 就業場所 | 「東京都渋谷区〇〇(転勤なし)」 |
| 業務内容 | 作業を5つ以上列挙する(「全般」は書かない) |
| 始業・終業時刻 | 「9:00〜18:00(固定)」または「シフト制」と明記 |
| 賃金 | 金額を書く。「応相談」のみは違法(後述) |
| 時間外労働の有無 | 「月平均○時間」など目安を書く |
| 休日・休暇 | 「週休2日(土日)、有給法定通り」 |
| 退職に関する事項 | 「自己都合退職は1ヶ月前に申し出」 |
特に2点、よくある間違いを指摘します。
「業務内容」に「全般」と書かない
「介護業務全般」「販売業務全般」という書き方は、実務上かなり危険です。「全般」という言葉を一度使うと、入社後の「これも仕事ですか?」をすべて受け入れることになります。「入浴介助・食事介助・排泄介助・記録入力・家族対応(電話)」のように具体的に列挙してください。求職者のミスマッチも減ります。
「給与応相談」だけは職業安定法違反
職業安定法第5条の3は、求人票に賃金の明示を義務付けています。「応相談」だけでは義務を果たしておらず、ハローワークでは掲載拒否、Indeedなどの民間媒体でも審査落ちになります。最低でも「月給○○万円〜(経験考慮)」と下限を書いてください。
「書かないと損」な項目——なぜそう言えるのか
法的義務はありませんが、書くかどうかで応募数と定着率が変わります。「根拠なしに書けと言われても」と思う方のために、各項目に理由を添えます。
1. 試用期間の給与条件
試用期間中の給与が本採用と異なる場合、書かないと「聞いていた給与と違う」という問題が入社初日に起きます。これは採用担当の問題ではなく、書いていなかった側の過失とみなされます。1行書くだけで防げるトラブルです。
書き方:「試用期間3ヶ月・時給1,000円(本採用後1,100円)」
2. 昇給・賞与の実績
「昇給あり」だけの求人は、求職者に「どうせ名ばかり昇給だろう」と読まれます。Indeedは応募率で求人をランキングするため、具体的な数字がある求人ほど応募を集めやすく、上位に表示され続けます。「昇給あり」だけでは求職者が判断できないため、クリックを保留されます。書ける数字があるなら書く。書けないなら書かない——「なんとなく昇給あり」と書くのが最も信頼を下げます。
賞与も同様です。「昨年実績:月給1.5ヶ月分×年2回」と書いている求人はIndeedでも多くありません。書けるなら書くだけで上位の書き方になります。
3. 転勤・異動の可能性
「転勤なし」は転職者に強く刺さります。一方で、転勤の可能性があるのに書かないと、入社後の告知で退職につながります。転勤があるなら「あり(関東圏内)」、可能性がゼロなら「なし」と明記してください。この1行が、応募者の質(転勤可否の条件が合っている人だけが来る)を上げます。
4. 正社員登用の実績
「正社員登用あり」と書くだけなら誰でも書けます。問題は、書いておいて実績がゼロの会社が多いことです。求職者はこの実績がないことを知っています——採用媒体の口コミ、就職情報サイトのレビューで見ているからです。実績がある会社は「昨年、アルバイトから正社員登用:2名」と書いてください。実績がないなら書かないことが誠実です。

チェックリスト:出す前に確認する8項目
□ 労働契約の期間が書いてある
□ 勤務地と転勤の有無が書いてある
□ 業務内容が具体的(「全般」だけになっていない)
□ 始業・終業時刻が書いてある(「固定」か「シフト制」かも)
□ 給与の金額が書いてある(「応相談」だけになっていない)
□ 時間外労働の有無・目安が書いてある
□ 休日・休暇が書いてある
□ 年齢・性別・国籍による制限表現が入っていない
この8項目が揃っていれば法的な最低要件は満たせます。
書いてはいけない表現(法的リスク)
| NG表現 | 問題 |
|---|---|
| 35歳以下・若手歓迎・若い方 | 年齢差別(雇用対策法)。ハローワーク掲載拒否対象 |
| 女性限定・男性優遇 | 性別差別(男女雇用機会均等法) |
| 日本語ネイティブ・日本人のみ | 国籍・出身差別 |
| 健康な方・体力に自信がある方 | 障害者差別につながる可能性 |
| 明るい方・元気な方 | 外見・性格による差別と解釈される場合あり |
これらは「応募者に活躍してほしいという気持ちで書いた」という意図と関係なく、表現自体が審査対象です。民間媒体では審査落ち、ハローワークでは掲載拒否になります。
よくある質問
Q. ハローワークの求人票と民間媒体では必須項目は違いますか?
法的な必須項目は同じです。ただしハローワークは所定フォーマットがあり記載漏れが起きにくい。民間媒体はフォーマット自由なぶん、書き漏れが起きやすいです。チェックリストを使ってください。
Q. パート・アルバイトも同じ記載が必要ですか?
はい。雇用形態に関わらず労働条件の明示義務は適用されます。パート・有期雇用の場合は追加で「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」の明示が必要です(パートタイム・有期雇用労働法)。
Q. 賞与の金額が年によって変わる場合どう書けばいいですか?
「賞与あり(業績による)」だけは書かないことを勧めます。代わりに「賞与あり(昨年実績:計2.8ヶ月分)」のように直近実績を書いてください。業績変動があるなら「業績連動、昨年実績:2.8ヶ月分」と両方書くのが正確です。
まとめ
求人票の必須記載事項は2種類です。
法律上の義務(書かないと違法) 労働契約の期間・就業場所・業務内容・勤務時間・給与(金額必須)・残業の有無・休日・退職事項
義務ではないが書かないと損な項目 試用期間の条件・昇給賞与の実績・転勤の有無・正社員登用の実績
法的義務を満たしたうえで、実績や数字を加えることが他社との差になります。特に「給与応相談のみ」と「業務内容を全般と書く」の2つだけは、今すぐ直してください。
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