
2026-04-18
保育士・幼稚園教諭の求人票の書き方:「子どもが好きな方」と書いても保育士は来ない
保育士・幼稚園教諭の求人票で応募が来ない原因を解説します。保育士不足の本質と求人票で差がつくポイント、サービス残業・行事準備の正直な書き方を説明します。
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保育士求人の9割に書いてある言葉があります。
「子どもたちの笑顔に囲まれながら働けます」「子どもが好きな方にぴったりです」「子どもの成長を一緒に見守りましょう」——
これは保育士に向けて言う必要のないことです。保育士を目指した時点で子どもが好きです。
保育士が転職するとき、求人票で確認しているのは「今の職場より良い条件か」です。
- サービス残業(持ち帰り仕事)がどれくらいあるか
- 行事の準備が業務時間内に終わるか
- 有給が取れているか
これらを書いていない求人票は、経験者保育士にとって「どうせ同じだろう」と思われて読み飛ばされます。
保育士が転職で確認する3つのこと
1. 持ち帰り仕事・サービス残業の有無
保育業界のサービス残業は構造的に発生しやすい。連絡帳の記入、製作物の準備、行事の衣装作りなどが「任意」と言いながら実質強制になっているケースがあります。
これを「ない」と言えるなら、証拠とともに書いてください。
✅ 「連絡帳の記入:勤務時間内(16時〜17時を記入時間として確保)。
製作物の準備:月2回、準備時間として30分確保。
持ち帰り仕事:ゼロを目標に取り組んでいます(2025年度の実績:スタッフの申告ゼロ件)」
「持ち帰り仕事なし」と書くだけでは信じてもらえません。どう時間を確保しているかを書くことで証拠になります。
2. 行事の準備が業務時間内に収まるか
運動会・発表会・クリスマス会などの行事前は、多くの保育施設で残業が集中します。
✅ 「行事(運動会・発表会)の準備時間:
月2回、1時間の準備時間を勤務時間内に設定。
昨年の運動会前(9月)の月間残業:平均8時間(残業代全額支給)。
衣装・小道具の製作:業務時間内のみ(自宅持ち帰りなし)」
「残業あり」と書くより「運動会前の月間残業:平均8時間」のほうが正確で、かつ他施設より少ない場合は差別化になります。
3. 有給の取得実績
保育士の有給取得率は全職種の中でも低い水準にあります。
✅ 「昨年度の有給取得率:78%(スタッフ実績)。
有給申請のルール:2週間前申請(急な休みの場合は相談可)。
代替スタッフ:常勤・非常勤含め余裕のある配置を維持」
有給が取れているか取れていないかは、スタッフが定着するかどうかに直結します。数字で示せる施設は少ないので、書けるなら大きな差別化になります。
保育士求人票に書くべき条件の具体例
給与の内訳を正直に書く
保育士の給与は「処遇改善手当」「特定処遇改善加算」などで構成が複雑になっています。
❌ 「月給22万円〜(各種手当含む)」
✅ 「月給:基本給18万円+処遇改善手当3万円+通勤手当(実費)。
賞与:年2回(昨年度実績:計3.2ヶ月分)。
昇給:年1回(昨年実績:平均+6,000円/月)」
「各種手当含む」という表記は、手当を除いた基本給が低い場合に不信感を生みます。内訳を書いてください。
クラス担任の有無と補助体制
✅ 「担任クラス:0〜2歳児(1クラス10〜12名)。
クラスに担任1名+補助パート1名を配置。
複数担任制ではありませんが、フリーが1名いるため休憩取得できます」
「フリーが1名いる」という情報は、休憩が確保できるかどうかを伝える重要な情報です。
園の特色(書き方のポイント)
多くの園が書いている「子ども主体の保育を大切にしています」は差別化になりません。
❌ 「子どもの個性を大切にした保育を心がけています」
✅ 「当園の特色:
・散歩:週3回(公園・商店街・農家など地域と連携)
・外遊び:1日2時間確保(雨天以外)
・製作物:月1回の設定保育。内容はスタッフが提案可能
・ICT導入済み(保護者連絡・記録のデジタル化。昨年から連絡帳アプリに移行)」

保育士求人でよくある問題と対策
問題1:新卒保育士しか来ない
経験者保育士が来ない理由のほとんどは、経験者向けの情報が書いていないからです。
経験者が知りたいのは「前の職場より良い条件か」。経験者向けの訴求を1行追加してください。
✅ 「経験者の方へ:現在スタッフの6割が転職経験者。
前職での保育経験を活かして、入社3ヶ月でリーダー業務を担当した方もいます。
前職の経験年数に応じた給与設定をします(面接時に確認)」
問題2:地方の小規模園で大手に勝てない
大手・法人系の保育施設と給与で競争しても勝てません。
小規模園の強みを出す:
✅ 「園児12名の小規模認可保育園です。
保育士1人あたりの担当児数:約6名(法定基準より少ない配置)。
保護者との関係が近く、子ども一人ひとりの成長を長期的に見守れます。
連絡会:月1回(希望者のみ。強制参加なし)」
問題3:残業・持ち帰り仕事が実際にあるが書けない
あるなら書いてください。書かずに採用して辞められるより、正直に書いて最初から折り込み済みの人を採用するほうが定着します。
✅ 「月末の記録業務で月5〜8時間程度の残業があります(全額支給)。
行事前の1〜2週間は製作準備のため+2〜3時間の日があります。
持ち帰り仕事の撲滅に取り組んでいますが、現時点では完全にゼロではありません」
正直に書けるかどうかが、実は求職者への最大の信頼シグナルです。
よくある質問
Q. 処遇改善手当は求人票に書いていいですか?
書いてください。処遇改善手当は保育士の給与に大きく影響します。「基本給○万円+処遇改善手当○万円」と内訳を書くことで、透明性が上がります。「各種手当含む」という曖昧な書き方は不信感を生みます。
Q. 産休・育休について書くべきですか?
必ず書いてください。女性が多い職場である以上、産休・育休が取れるかどうかは重要な判断基準です。「産休・育休取得実績:過去3年で4名、全員復職済み」という書き方が最も効果的です。
まとめ
保育士求人票で今すぐ変えること:
- 「子どもが好きな方」を削除して 持ち帰り仕事の有無・有給取得率を書く
- 給与の内訳(基本給・処遇改善手当・賞与実績)を明示
- 行事前の残業実態を月間時間で記載
- 経験者向けの1行(転職者が活躍している実績)を追加
保育士不足は業界全体の問題ですが、「正直に書ける施設」と「書けない施設」の差は、応募数に出ます。
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